ご利用者の声

ご利用者の声



株式会社ぎょうせい
石﨑 壽治 氏
五十嵐 開 氏
辻村 優貴 氏

六法をアプリ化した「My六法」。
安定性を重視しインフラ部分にAWSを採用

株式会社ぎょうせいは、1893年の創業以来「法令の普及と地方自治の振興への寄与」という企業理念のもと、日本初の差し替え可能な加除式法規集を発案し、法令出版を中心に事業を拡大してきました。情報のデジタル化やICTの進展にもいち早く対応し、各種コンテンツを電子媒体にて提供しています。

さらに、多様化する顧客のニーズに合わせて、自治体に向けた条例・規則整備、システム開発・保守、調査研究、法制執務に関するコンサルティング業務などを展開しています。今年は、リーガルテックへの関心の高まりに合わせ、ICTの力で法令の普及を盛り上げるために、デジタル庁主催の「法令」×「デジタル」ハッカソンを企画し、開催しています。

同社では、2025年3月21日にiOS/Android向けアプリ「My六法」をリリースしました。アプリの基盤にアマゾン ウェブサービス(AWS)を採用しています。

「インフラの選定にあたっては、大量の法令データの管理やデジタル庁e-Gov法令検索との安定した連携を重視しました。AWSは安定性に加え、スケーラビリティや運用のしやすさなどに強みがあり導入を決めました。また実績やサポート体制の充実も評価しました」(五十嵐氏)


五十嵐 開 氏
法令コンテンツ事業推進部 法令編集課

ぎょうせい初のアプリ「My六法」のインフラ選定では安定性と拡張性を重視

ぎょうせいが出版する法令集は膨大で、分野ごとにそれぞれ分厚い書籍として販売されています。利用者の多くは「普段よく見る法律に付箋を貼って条文を引く」という使い方をしています。そこで、書籍を開かずともいつでもどこでも法令集を参照できるアプリとして「My六法」を開発しました。

ぎょうせいでは、デジタル庁が運営する法令の検索・閲覧システム「e-Gov 法令検索」のデータ整備を、法務省の委託を受けて行っており、My六法ではこれをデータソースとして利用し、利用者の検索に応じて約9千件の法令から必要な法令をダウンロードできます。改正施行日をチェックして、ダウンロードした法令でも常に最新版になるようにアップデートしています。また、例えば「未成年の喫煙(について規定している法律)」というように法令名を指定せずとも、あいまい表現で生成AIを活用した検索結果を表示できるようにしています。

My六法は、バックエンドにAWSを採用しています。AWSの採用理由について、My六法のプロジェクトリーダーを務めた五十嵐開氏は次のように話します。

「My六法は実験的なプロジェクトなので環境構築が柔軟にできること、最初は最小構成で立ち上げ、プロジェクトの規模に合わせて拡張できることを要件に検討しました。また毎日1回以上の更新があるe-Gov 法令検索とAPIで連携し、スムーズにデータの取得、保存検索ができることを重視しました」(五十嵐氏)

検索結果で生成AIの活用も。様々なサービスとの連携ができるのもAWSのメリット

複数社のベンダーから提案があったうち、AWSを提案してきた一社が電算システムでした。

「電算システムは、生成AIの活用を提案しており、生成AIを支える豊富なサービスが揃っているAWSが有力候補となりました。AWSはクラウドサービスの中でもメジャーで実績も多く、サポート体制もあるので、安心感があり導入を決めました。電算システムの担当営業の提案がシステム要件に合致しており、スケーラビリティや運用のしやすさに加え、効率的な開発ができるという期待がありました」(五十嵐氏)

「電算システムは名古屋の会社ですが、来社して提案をしてくれました。当部署ではアプリ開発が初めてだったので、直接相談ができたことで心強く感じました。開発にあたっては、リリース後の運用のしやすさを常に意識して設計を行ってくれました」(石﨑氏)

アプリのリリース前の検証では、e-Gov 法令検索との安定した連携を重視しました。

「部署では、検証環境としてAWSを使っていますが、本番環境としてAWSを利用するのは初めてのことでした。ユーザーに最新の法令データを届ける必要があるので、開発段階から更新頻度の高いデータを取得できるかは重視して検証しました。AWSの管理画面からは、全サービスがまとまって見られるので管理しやすいですし、セキュリティの面でも運用しやすいなと感じました」(五十嵐氏)

「社内のメンバーに利用してもらい使用感を聞き、フィードバックをもらい改善に活かしました。社内からは誰でも法令をダウンロードできること、持ち運びができることを評価されました。AI検索*については、自分たちでも回答内容を検証しながら精度を上げています。モデルによって回答内容が変わるので、最適なモデルを今後も検証し続けたいです」(辻村氏)

*Amazon BedrockのRAG(Retrieval Augmented Generation)技術を活用した生成AIによる検索機能を搭載しており、膨大な法令や条例データから必要な情報を効率的に探し出すことができ、また、自然言語での検索が可能なため、専門知識がなくても簡単に利用できる設計となっています。



法律をより多くの人が利活用できるようサービスを展開していきたい

アプリとして使いやすさにもこだわりました。

「ぎょうせいの出版物は重厚な雰囲気のものが多いですが、アプリではユーザーの使いやすさが大事なので、ぎょうせいのイメージを保ちつつも、親しみやすい画面構成を意識しました」(五十嵐氏)

今後アプリが多くのユーザーに使われる中で、さらに安定性や生成AIの精度を向上させる予定です。さらに、手元で法律の条文を表示できることで、一般の人と法律の関わりも変わると期待しているそうです。

「地図がアプリになって利便性が大きく向上したように、六法がアプリになることで、法律を活用する時代になります。手元で法律を確認できれば、例えば、企業が広告を作成する時に表現の規制を調べるなど、業務に必要な法律を担当者自身がチェックでき、専門家でない一般の人の法律利用が進むと期待しています」(石﨑氏)

「現状ではブックマーク機能、生成AIの活用などがありますが、さらに他のサービスと連携して機能を拡充していきたいです。拡張性の高さがAWSの選定のポイントなので、新たなサービスを生み出していきたいですね」(五十嵐氏)

「ぎょうせいでは、これまで自治体職員、弁護士、税理士を対象に専門書を提供してきましたが、アプリを通して様々な人に法律を身近に感じてもらいたいです。硬いイメージがある法令を、身近で気軽に利用してもらえるアプリで提供し、ぎょうせいという会社のことも知ってもらいたいです」(辻村氏)


石﨑 壽治 氏
法令コンテンツ事業推進部 部長


辻村 優貴 氏
法令コンテンツ事業推進部
コンテンツビジネス課





カスタマープロフィール:株式会社ぎょうせい

創業:  1893年(明治26年)9月
資本金:5億円
従業員数:718名(契約社員等165名を含む)(2025年4月現在)
事業内容:加除式の法規集・例規集・判例集等の出版、各種単行本・雑誌の出版、法制執務支援業務、一般教養講座の開設及び通信教育、国・地方公共団体・公益法人・企業等の行う地域づくり等に関する調査の受託及び研究業務、情報処理サービス及び情報提供サービス、デジタル商品及び関連事業の企画及び販売など
URL:https://gyosei.jp/

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • スケーリングや監視などを自動化し運用負荷を軽減
  • e-Gov法令検索 法令APIとの連携が安定して運用できる
  • 生成AIの実行基盤がマネージドサービスで揃っており、楽に運用が可能
  • 正式リリース後、お客様の声をもとに機能改善を行う

AWS アドバンストティアサービスパートナー

株式会社電算システム
電算システムは独立系の IT 企業として、システムの提案から設計・開発、ハード調達、運用保守まですべてをワンストップサービスで提供しています。AWS につきましても、「AWS Solution Provider Program」を締結し、幅広いソリューションを提供し、お客様のクラウドシフト、クラウドファースト、DX 推進を支援します。

ご利用中の主なサービス

  • Amazon Bedrock
  • Amazon Aurora
  • Amazon CloudFront
  • AWS Lambda
  • Amazon RDS
  • Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)
  • Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS)


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