ご利用者の声

ご利用者の声



一般財団法人名古屋市療養サービス事業団

AWS への移行により運用コストを約 50 %削減。
システム構成をシンプルにし、可用性、セキュリティを大幅に向上

一般財団法人名古屋市療養サービス事業団は、名古屋市における在宅療養の基盤整備を目的として、1995 年に設立されました。訪問看護事業、居宅介護支援事業に加え、地域包括支援センターであるいきいき支援センターの運営の 3 つを中核事業としています。その他、市民に向けた在宅療養講演会の開催、認知症の方や家族がくつろぎ、交流できる認知症カフェの運営なども行っています。

同社では、2017 年 12 月よりアマゾン ウェブ サービス(AWS)を利用しており、基幹システム、勤怠管理システム、BI ツール、帳票作成システムなどを稼働させています。



「オンプレミスのスクラッチ開発から、AWS と標準パッケージに変更したことで、システムが安定稼働し、これまで保守にかかっていた業務が激減しました。障害で慌てることもなくなり、システム管理面の仕事が非常に楽になりました」

一般財団法人名古屋市療養サービス事業団
IT 統括本部主幹 篠田 和紀 氏



スクラッチ開発した基幹システムの運用が限界に

名古屋市 16 区をカバーし、13 箇所の訪問看護ステーション、9 箇所のケアマネジメントセンター、5 箇所のいきいき支援センター、2 箇所の認知症カフェ、事業所本部を抱えている名古屋市療養サービス事業団。以前は、フルスクラッチで独自開発した基幹システムをオンプレミス環境で構築していました。

「当時、独自のフォーマットで訪問看護記録を登録しており、給与計算とも連携していたため、パッケージ製品では対応できず、フルスクラッチ開発をすることになりました。しかし、頻繁に開発会社に追加開発を依頼しており、莫大なメンテナンス費用がかかっていました。システムが停止する障害も多く、その度に復旧を依頼していました。運用者にとって、システムの稼働そのものがストレスになっていました」(篠田氏)

5 年間運用した後、サーバーを入れ替え、パッケージ製品を導入し、すべての業務システムを標準化することになりました。

10 社以上が入札に参加。標準化とクラウドサービスの利用が要件

インフラからシステム、さらには管理体制、開発体制を含めて、すべて入れ替えることになり、入札を行いました。10 社以上から提案があり、そのうちの 1 社が電算システムでした。

「訪問看護、ケアマネジメントの両方で使えるメジャーなパッケージ製品である『ほのぼの Next』を提案してもらいました。グループウェアは、電算システムが提供している『育護 NAVI』、勤怠管理システムは、こちらの要望に合わせて『勤次郎』となりました。電算システムの担当者がこちらの希望や要件を細かく聞いた上で提案をしてくれました。最終的に、3 つのパッケージ製品を合わせて全体の運用管理を任せられるという安心感があり、選定しました」

インフラについては、オンプレミス環境ではなく、クラウド環境にしたいという希望がありました。

「クラウドサービスについては、当時もっとも普及していた AWS を選定しました。国内にデータセンターがあることが要件の一つだったので、要件を満たしており、すでに多くの導入事例がある AWS を利用したいと電算システムに伝えました」

当時、ほのぼの Next を AWS で導入する事例がなかったことから、日本初の取り組みとなりました。そのため、電算システムでは、事前に細かく動作検証などを行った上で、提案をしました。

利用状況にあわせたシステム構成で、安定稼働

導入が決定してから、移行が完了するまでにはおよそ半年間がかかりました。

「移行において最も大変だったことは、訪問看護システムの実績データの移行です。介護保険法で、利用者のサービス契約終了後、5 年間はデータを保存しておく必要があるので、ほぼすべてのデータを移行する必要があり、時間がかかりました」

現在は、「ほのぼの Next」のデータベースが 1 台、アプリケーションサーバーが 4 台、その他各業務システムのサーバーが 1 台ずつ、認証管理サーバーが 1 台、ブレーカーサーバーが 1 台、帳票作成のためのサーバーが 1 台、BI のサーバーが 1 台となっています。


「訪問看護の看護師は、訪問看護記録をデイリーで登録し、月末には月報の作成と翌月の計画書を登録します。看護師は、別のアプリに記録を登録しており、ほのぼの Next に連携するという形になっています。ほのぼの Next は、ケアマネージャーも利用するため、負荷が大きいのでサーバーを 3 台稼働させ、ロードバランサーで分散しています」

なお、セキュリティを考慮して、事業所間は閉域網で VPN 接続されており、本部のネットワークから電算システムのデータセンターに接続し、AWS に接続するという構成になっています。

システム運用の業務が激減し、コスト負担も軽減

移行直後は、一部システムで不具合が生じることもありましたが、電算システムのサポートにより、問題を解決できました。

「導入当初は、不具合や不明点があった時は電話で相談して解決していました。稼働後 1 − 2 年で安定し、現在はメンテナンスフリーで運用できています。私は、スタッフの利用のサポートを行っていますが、ログイン状況の確認や再起動などを遠隔から管理できるので、スムーズに対応できています。以前は、頻繁にシステムのメンテナンスが必要でしたが、その作業がほとんどなくなり、管理面の業務負荷が激減しました。

システムをリプレイスしてから、コスト削減の効果が大きいです。以前は、固定費に加え追加開発費がかかっていましたが、現在は固定費だけになり、業務システムの標準化による恩恵を感じています」

移行後に、名古屋市から委託事業を期間限定で受注したことがありましたが、それに伴う事業所の増加や減少があった場合でも、問題なく対応できました。

今後の予定としては、一部業務システムについてはリプレイスを検討していますが、 AWS については利用を継続していきたいということでした。また、オンライン会議などが増えて、ネットワーク帯域の輻輳が発生することから、今後は特定のシステムによる通信は本部のネットワークを介さず、直接インターネット接続できるようにする予定です。

カスタマープロフィール:一般財団法人 名古屋市療養サービス事業団

設立: 1995 年 9 月
従業員数: 406人
事業内容:訪問看護ステーション、ケアマネージメントセンター、いきいき支援センターの運営、在宅療養に関する調査研究及び助成、在宅療養に関する相談・指導及び情報提供等
URL: https://www.nrs.or.jp/

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • フルスクラッチのシステムから標準パッケージ製品への移行
  • オンプレミス環境からAWSへの移行
  • システムが安定稼働し、運用コストを大幅削減
  • パッケージ製品の見直し、ネットワーク構成の見直し、AWS の継続利用

AWS パートナー

株式会社電算システム
電算システムは独立系の IT 企業として、システムの提案から設計・開発、ハード調達、運用保守まですべてをワンストップサービスで提供しています。AWS につきましても、「AWS Solution Provider Program」を締結し、幅広いソリューションを提供し、お客様のクラウドシフト、クラウドファースト、DX 推進を支援します。

ご利用中の主なサービス

  • AWS Direct Connect
  • Amazon VPC


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